*自家歯牙移植は多くの利点をもちますが、インプラント治療に比べ適応ケースが非常に限定されますうえインプラントの長期成功率を超えることはないようです。 当院では根管治療と移植の相談を受けることも多いのですが、日本では無理をしてでも抜歯を回避する最近の傾向からか、拝見した段階では歯根自体が非常に劣化し脆弱な場合があり、問題解決的な治療は断念せざるえないことも少なくありません。 またラバーダム防湿は健保給付外となっております。 なお、当院では欠損歯の修復に第一選択肢としてインプラントや歯を丸ごと削るかぶせ物治療を勧めることはありません。 (まずは取り外し式の義歯を使ってみていただいております。 何故なら当院に定期健診で通われる20年近く前につくった義歯を使用される患者さんは、長年同じ義歯を愛用され食事にまったく不自由もないせいか誰もインプラントにしてくださいと言いません。 数年間金属部分の外注以外すべて自分で義歯を製作していた時期もありますので(50〜60個分)、 単純に噛むことに関しては、入れ歯 << インプラント という優劣はないものと考えています。 他院ではインプラント治療を専門に担当していますが、多数歯欠損での優良な義歯の安定性は代えがたいものです!)
*歯科用マイクロスコープがあれば、素晴らしい治療につながるような宣伝が多く見受けられますが、そんな甘くはありません。 当院は口腔外での精密な技工作業については開院以来20余年間実体顕微鏡を利用しておりますが、治療用マイクロスコープにつきましても、現在ホームページで大きく取り上げている医院の何処よりも早く導入しております。 正しい経験を積み重ねている歯科医なら大騒ぎすることではないと存じますが、 マイクロスコープは知識と経験に裏付けられたほぼ確実な予測を実証確認するために使用するのであり、闇雲に覗いても時間の無駄と云えます(先が見えているか、映るものしか見えないか等)。 実際マイクロでは見えない領域にこそ駆け出しの術者と厳しい治療を経験して来た者のスキルの差があると存じますので、手指の感覚が研ぎ澄まされていれば、(神経縫合や微細血管を繋ぐわけではありませんので、)ケースによっても4倍程度の拡大鏡があれば十分ではないかと考えます。 若い視力があればなお良し。 老眼の補正には大変良いものですが。。。
*インプラント治療・矯正治療・完成歯の自家歯牙移植治療は健康保険対象外の治療となります。 また、1人の患者さんにトータル数十時間を要する全歯列を対象とした精密な歯周補綴治療や、高度の審美的な回復を目的とした修復治療、難治性の根管治療等は給付制限のある現行の健康保険ではまったくカバーしきれない内容となりますため、(特殊な手技や外注製作が必要な治療は)自由診療中心となることをご了承くださいませ。 また根管治療についてはH22年現在においては専門医に紹介すべきと考えています。
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